倉吉ウイスキーの評判は？美味しい？ひどい？味・価格・受賞歴を解説

倉吉ウイスキーの評判：味や種類の特徴

倉吉ウイスキーは、鳥取県倉吉市の豊かな自然の中で造られるジャパニーズウイスキーです。名峰・大山の清冽な水を使用し、丁寧な熟成を経て生まれます。その評判は国内外で高まっており、特に「飲みやすい」「バランスが良い」といった声が多く聞かれます。

しかし、具体的にどのような味の特徴があるのでしょうか。この見出しでは、倉吉ウイスキーの基本的な情報から、ピュアモルトや人気の8年、12年といった種類ごとの味わいの評判、そして「美味しい」と言われる理由について詳しく解説していきます。

倉吉ウイスキーとは？鳥取の自然が生む味

倉吉ウイスキーは、鳥取県倉吉市にある松井酒造（倉吉蒸溜所）が手掛けるウイスキーです。この地域は、名峰・大山を望む自然豊かな場所にあり、ウイスキー造りに欠かせない清らかな水に恵まれています。特に、大山の深層天然水を使用していることが、倉吉ウイスキーのまろやかで奥深い甘みやまろやかな口当たりの源となっています。

また、鳥取県は年間を通じて寒暖差が大きい気候が特徴です。この気候はウイスキーの熟成に適しており、樽の中でゆっくりと時間をかけて深い味わいを育みます。

豊かな自然環境と良質な水、そして熟成に適した気候。これらが組み合わさることで、倉吉ウイスキーならではの味わいが生まれています。全体的に口当たりが柔らかく、後味はすっきりしていると評されており、ウイスキー初心者の方でも親しみやすい魅力を持っています。

評判の味：飲みやすくバランスが良い？

倉吉ウイスキーの味についての評判を見ると、「飲みやすい」「スムーズ」といった声が多く聞かれます。ウイスキー特有のクセが少なく、軽やかで穏やかな味わいが特徴とされているため、初めてウイスキーを試す方や、強い個性を求めない方に特に好まれています。

この飲みやすさの理由は、味のバランスの良さにあります。ウイスキーが持つ甘み、酸味、そしてほのかな苦味が、どれか一つだけが突出することなく、うまく調和していると評価されています。

例えば、レーズンやバニラのような甘さと、ナッツのような香ばしさ、そして柑橘系の爽やかな酸味が一体となり、複雑でありながらもまとまりのある味わいを生み出しています。この絶妙なバランスが、多くの人に「飲みやすい」と感じさせる理由の一つと言えるでしょう。

「美味しい」との評判：具体的な味わい

倉吉ウイスキーが「美味しい」と評価される背景には、その具体的な味わいの特徴があります。まず、口に含んだ時に感じるのは、柔らかく香ばしいモルト（麦芽）の香りです。それに加えて、レーズンのようなドライフルーツ系の甘酸っぱさ、ナッツを思わせる香ばしさ、そしてバニラのような甘く豊かな香りが複雑に絡み合い、バランスの取れた味わいを形成しています。

口当たりは非常に柔らかく、円やかであると評されています。熟成によってアルコールの刺激が和らぎ、スムーズに喉を通る感覚も「美味しい」と感じる要因でしょう。

さらに、鳥取県の名水である大山の深層天然水を使用していることも、雑味のないクリアな味わいと、口どけの良さにつながっていると考えられます。これらの要素が組み合わさり、多くの人に「美味しい」と評価される、心地よい味わいを生み出しているのです。

人気の倉吉ピュアモルト、その味は？

倉吉ウイスキーの中でも特に人気が高いのが「ピュアモルト」シリーズです。「ピュアモルトウイスキー」とは、大麦麦芽（モルト）だけを原料にした原酒を複数ブレンドして造られるウイスキーのことです。倉吉ピュアモルトは、海外から輸入したモルト原酒と、自社（倉吉蒸溜所）で製造したモルト原酒をヴァッティング（混ぜ合わせる）して造られています。

その味わいは、柔らかく香ばしいモルトの香りが基本にありつつ、レーズンやナッツ、バニラのような風味がバランス良く調和しているのが特徴です。酸味、苦味、甘味が複雑に絡み合いながらも、全体としてはまとまりがあり、飲みやすい印象を与えます。

また、倉吉ピュアモルトには、熟成に使う樽の種類が異なる「シェリーカスク」などのバリエーションもあります。シェリーカスクは、シェリー酒の熟成に使われた樽でウイスキーを熟成させるため、果実やチョコレートのような甘い香りが加わり、よりフルーティーで豊かな味わいが楽しめます。

倉吉 8年の味：ドライフルーツのような香り

倉吉ピュアモルトウイスキーの中でも、8年間熟成させた「倉吉 8年」は、その独特な香りと味わいで人気があります。特徴的なのは、ドライオレンジを思わせるような麦芽の香りと、甘く芳しい果実の香りです。グラスに注ぐと、熟成によって生まれた華やかで心地よい香りが広がります。

味わいについては、口に含むとまずバニラやナッツを思わせる香ばしさが感じられます。その中に、しっかりとした甘さが際立っており、口当たりは非常に柔らかく、スムーズです。8年間の熟成によって、原酒のカドが取れ、まろやかで飲みやすい仕上がりになっています。

ふるさと納税のレビューなどでも「香りが最高」「普段呑みなら8年で十分満足」といった声が見られ、その香りの良さとバランスの取れた味わいが評価されていることがうかがえます。

倉吉 12年の味：深みとナッツの香ばしさ

「倉吉 12年」は、倉吉ピュアモルトウイスキーの中でも12年間という長い熟成期間を経たボトルです。その分、味わいにはさらなる深みと複雑さが加わっています。香りは、ナッツやアーモンドのような香ばしさがまず感じられ、そこにどっしりとした麦芽の香りが重なります。8年ものよりも、より重厚で落ち着いた印象の香りです。

味わいは、12年の熟成によって生まれた深みが特徴です。程よいバニラやレーズンのような甘みに加え、ほのかなスモーキーさ（燻製のような香り）も感じられます。甘さ、ビター（苦味）、酸味のバランスが絶妙で、複雑ながらもまとまりのある、洗練された味わいを楽しむことができます。

レビューでは「期待通りとても深みのある味わいで美味しい」「力強さと香りの高さを感じる」といった評価があり、じっくりとウイスキーの熟成感を味わいたい人におすすめのボトルと言えるでしょう。

倉吉ウイスキーの評判：「ひどい」と言われる理由

多くの賞を受賞し、美味しいと評価される一方で、倉吉ウイスキーには「ひどい」といったネガティブな評判も一部で見られます。その背景には、過去の表示に関する問題や、ウイスキーの味の好みによる評価の違いなど、いくつかの理由が考えられます。

世界的な評価を受けながらも、なぜ厳しい意見が出るのでしょうか。この見出しでは、「ひどい」という評判が立つ理由や、過去の「炎上」騒動、価格に対する評価、そして一部の愛好家が指摘する物足りなさなど、様々な角度から倉吉ウイスキーの評判を深掘りし、総合的な評価を考察します。

世界的な評価と受賞歴も

倉吉ウイスキーは、その品質の高さから、世界的な酒類の品評会で数多くの賞を獲得しています。特に権威あるコンペティションでの受賞は、倉吉ウイスキーが国際的に認められている証と言えるでしょう。

例えば、2021年のサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション（SFWSC）では、「倉吉 18年」が審査員全員から最高評価を得た場合にのみ与えられる「ダブル金賞」を受賞しました。

また、ワールド・ウイスキー・アワード（WWA）やインターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション（IWSC）、インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ（ISC）といった著名な品評会でも、金賞やカテゴリー最高賞などを毎年のように受賞しています。

これらの受賞歴は、倉吉ウイスキーが単なる国内ブランドにとどまらず、世界基準で見ても高い品質を持つウイスキーとして評価されていることを示しています。特に近年は自社蒸溜によるシングルモルトウイスキーの評価も高まっています。

なぜ「ひどい」評判が？気になる声

世界的な評価を受ける一方で、倉吉ウイスキーには「ひどい」といったネガティブな評判が一部で見られるのも事実です。その背景にはいくつかの理由が考えられます。

一つは、後述する過去の「炎上」事件の影響です。ウイスキーの出自に関する表示の問題で、一部のウイスキーファンの信頼を損ねてしまった経緯があります。この時のイメージが、今でも一部で「ひどい」という評価につながっている可能性があります。

もう一つは、味わいに関する意見です。倉吉ウイスキーは比較的飲みやすいライトな味わいが特徴ですが、これが一部のウイスキー愛好家にとっては「物足りない」「深みがない」「味わいが単調」と感じられることがあるようです。特に、個性的な香りや重厚な飲みごたえを求める層からは、厳しい評価を受けることがあります。

過去の「炎上」理由：表示問題とは

倉吉ウイスキーが過去に「炎上」したとされる主な理由は、その表示方法にありました。発売当初、商品のラベルには「Made in japan」といった表記があり、多くの消費者は日本国内で蒸溜された原酒を使った「ジャパニーズウイスキー」だと期待しました。

しかし、実際には海外から輸入したウイスキー原酒を日本国内でブレンドや瓶詰めなどを行って製品化していたことが明らかになりました。当時の日本の法律では、輸入原酒を使用しても国内で最終加工すれば「国産」と表示すること自体は問題ありませんでした。ウイスキーに関する明確な定義や規制が整備されていなかったのです。

とはいえ、消費者の期待とは異なる実態や、「長期樽熟成の国産モルト」といった誤解を招きかねない表現があったことから、「消費者を欺いているのでは？」と一部のウイスキーファンから厳しい批判を受けました。さらに、その後のメーカー側の対応や発言も、問題を大きくした一因とされています。

価格は妥当？コスパに関する評判

倉吉ウイスキーの価格設定については、様々な意見があります。スタンダードな「倉吉 ピュアモルト」は700mlボトルで4,000円前後、シェリーカスク熟成タイプが少し高く、8年、12年、18年と熟成年数が上がるにつれて価格も上昇します。特に「倉吉 18年」は27,500円（税込）と高価です。

一部では、他のジャパニーズウイスキーと比較して比較的手頃な価格設定であり、コストパフォーマンスが良いという評価もあります。特に、近年のジャパニーズウイスキー全体の価格高騰を考えると、比較的手に取りやすい価格帯と感じる人もいるでしょう。

その一方で、特に長期熟成のボトル（12年、18年など）については、「品質に対して価格が高い」「コストパフォーマンスが悪い」と感じる声も少なくありません。同じ価格帯の他の有名なプレミアムウイスキーと比較され、味わいの面で見劣りすると感じる人もいるようです。価格が妥当かどうかは、個人の価値観や求める味わいによって判断が分かれる点と言えます。

物足りない？スモーキーさ不足の評判

倉吉ウイスキーの味わいの特徴として、スモーキーさが少ない点が挙げられます。スモーキーさとは、ピート（泥炭）を焚いて麦芽を乾燥させる工程で付く、燻製のような独特の香りのことです。スコットランドのアイラ島で作られるウイスキー（アイラモルト）などは、このスモーキーさが非常に強いことで知られています。

倉吉ウイスキーには、このような強いスモーキーさはほとんど感じられません。そのため、アイラモルトのような個性的で力強いピート香を好むウイスキーファンにとっては、「物足りない」「パンチがない」と感じられることがあります。

倉吉ウイスキーは、どちらかというと軽やかでクリア、スムーズな飲み口が特徴です。これは長所でもある一方、ウイスキーに複雑さや重厚感を求める層からは、個性が弱い、奥行きがない、といった評価につながる場合もあります。シェリーカスク熟成タイプも、他の濃厚なシェリー系ウイスキーに比べるとライトな仕上がりと評されています。

結論：倉吉ウイスキーの総合的な評判

倉吉ウイスキーの評判を総合的に見ると、その評価は飲む人の好みや何をウイスキーに求めるかによって大きく左右されると言えます。

「飲みやすい」「スムーズ」「バランスが良い」といった点は、多くの人に共通する評価であり、特にウイスキー初心者や、クセのない穏やかな味わいを好む人にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。シェリーカスク由来のフルーティーな甘みも、好む人には高く評価されています。

一方で、過去の表示問題に起因する不信感や、スモーキーさや重厚感を重視するウイスキー愛好家からの「物足りない」という声も無視できません。個性の強さや複雑な味わいを期待すると、肩透かしを食らう可能性もあります。

最終的には、ライトで親しみやすいジャパニーズウイスキーを試してみたい人や、シェリー樽由来の甘さを楽しみたい人にはおすすめできますが、強い個性や深遠な熟成感を求める場合は、他の選択肢も視野に入れるのが良いかもしれません。